

穀雨は毎年4月20日前後になり、今年は今日、4月19日になります。
穀雨は春の季節の最後の節気です。字の通り、百穀を潤すための雨のことです。
昔からの統計と確率で気候の変化をわかりやすく象徴的な言葉に換えたものが二十四節気です。
気候変化は特に農作業には大事なことです。テレビやネットなどない昔は代々の知恵を引き継いで季節の変化を知らせるための大事な暦でした。
特に、穀雨の時期は温かくなり、種まき、苗作りを終えて田んぼに初稲の苗が植えられ、農作物の種を蒔きます。もっとも必要なことは雨水による大地の潤いです。中国では“春の雨は貴重な油のごとし”と言われ、“雨は百穀を成長させる”と言われる所以です。
また、穀雨は春の季節はもうすぐ終わり、夏の季節がもうすぐ始まるという頃です。
この時期、茶の木では新芽がでて、春茶の摘み取りの頃となります。地域によりますが、此の季節の前後に春茶を摘み取ります。
都会でも樹木の芽がでて花が咲き、葉が日に日に伸びて成長していくのを
見ることができます。
常に言われるのは“清明は雪を断ち、穀雨は霜を断つ”と言われてきましたが、立春から数えて八十八日目を“八十八夜”といい、日本では新茶を摘む頃となりますがこれも昔から年によって遅霜がくるかもしれない時期として注意喚起の日でした。
此の時期の養生で大事なことは自然の気候変化に注意し、自然の環境の変化を無視しせず、自然の変化に沿って生活するこがだいじです。
穀雨の季節の特徴は雨が多く降る様になるので、空気中の湿度が高く成ることです。
この特徴から穀雨の季節以後、神経痛の病気が発病し易い時期です。例えば肋間神経痛、坐骨神経痛、三叉神経痛などです。
雨が降ると気温が下がり、潤いの湿と寒さが邪気に変わり、寒湿となり、気温の変化に着衣、食事などで対応しないと此の邪気が侵入してきて痛みを発症します。
但し、この病気が発病してもそれぞれの病因は違うので病院で病気の原因を探り、それに従い治療することが大切です。
が、普段から気が充実して皮膚から衛気(体を守る気)が溢れてる人は邪気が侵入しにくいので日頃の養生が大切です。
天気が温かくなると人の戸外の活動が増え、北の地方でも桃の花、杏の花が満開になります、セイヨウハコヤナギ、と柳の綿が四方に飛ぶので花粉に敏感な人はこの時期に比較的に過ごしにくくなります。
アレルギー体質の人はこの季節に、特に注意するのはその原因になる物質への接触を避け、食事面では高タンパク質、高カロリーの食べ物の摂取を控えることです。
症状がでてしまったら、病院を受診しましょう!
春の季節は肝木旺盛で脾が衰弱します。但し穀雨前後15日及び、清明の最後3日間は脾が旺盛の時期のじき、春の土用になります。
脾の働きが旺盛になると胃が強健になり、消化能力が旺盛な状態です。消化が旺盛になると栄養の吸収も有利になります。この土用の時は体を養うのにとても良い時期です。身体の活動がこの季節の天の気の下にあります。(天の気の動きに従うことがだいじです。)
この季節の適宜の膳食は、:一切れにしたウナギと薬用人参の蒸し物、菊花とウナギなど去風湿(邪気の風湿:リュウマチや関節痛の原因になる邪気の一つを取り去る。)を備え、筋骨を延ばし、気血を温めて補う効能があります。:袋茸と豆腐のとろみのあるスープや生地黄と鴨の卵のスープは滋陰養胃(陰を養い、食べすぎで起こる胃熱を和らげます)を具えています。
但し、これは補うことが適当で過ぎてはいけません。古人いわく“四季(春夏秋冬のこと)には脾を傷つけるものは食してはならない。”という説もあります。季節が移り変わる前に必ず土用が15日くらいあります。(春の土用、夏の土用、秋の土用、冬の土用です。土用のときは脾胃の働きが盛んになるので栄養のあるものを食べてもいいが、それ以外の時期に食べると旺盛しすぎて、かえって脾を傷つけます。)
この時期には冬のように補ってはいけない。それで血を補い、気を益する効能がある食物を適当に食べるべきです。(冬の時期は寒さでエネルギーを消耗するのでしっかり、栄養を補う必要があります。暖かくなって陽気がでてきたら体はそれほどエネルギーを消耗しないので季節に応じた栄養補給をが大切です。)
こうすると身体の体質や体格のレベルを高め、春の伝染病に抵抗することができ、更に真夏の日を安らかに送るように体の土台を作ることができます。もし飲食が適当でなければ腸と胃をとても傷つけやすくなります。
このようなことから、言ってもこの時期には、胃病がたやすく発症しやすい時期でもあります。
病因を取り除くのが治療のキーワードです。タバコ、酒は慎み、暴飲暴食をしないようにします。また、むやみにお腹をすかせ過ぎるのもよくないので、特に胃腸が弱い方は、量を少なく、回数は多く、胃を刺激する食物や薬などは避けます。
その他、春の季節は精神疾患の発生率が高い時期です。春の最後の季節に、人は精神養生の健康を保つための方法(呼吸法・気功・軽い運動・音楽・花を愛でるなど)で気持ちを調節する以外に、また、ストレスを緩和して気持ちを調節する食べ物を食養することもできます。
近年の心理生理学と栄養学の研究によると、飲食が人体の情緒に対して一定の影響があることがわかっています。
ある、研究では、ビタミンB群を含む食物を多く食べると抑うつ症状の改善が明らかに効果があることがわかりました。
B群を豊富に含む食材は:小麦胚芽、標準小麦粉、標準小麦粉の麺、分づき米、そば粉、カラスムギ麺、大麦、粟、大豆、及び、その他の豆類、ひまわりの種、落花生の実、黒ごま、胡麻及び、赤身の肉などです。
また、ある研究ではアルカリ性の食べ物を多食すると人のイライラする気持ちを緩和する助けになることがわかりました。春の時期は肝気が陽気の上昇で気が昇り、起こりやすくなります。ストレス過多、飲酒の習慣があり、怒りやすい人は魚介類のエビ、カニ、魚類と海藻類などの海産品を多食して性格を改善し、情緒を安定させます。
穀雨の季節は雨が多く水が増えます。但し天気は変わることが多いので、雨が少なく、干ばつの天気も見られることもあります。そのため、流行性の伝染病、めまい、水虫などの症状がたやすく発生し易すくなります。
この季節を健康でに過ごすためには、情志を調節して穏やかな心持ちで、合理的に賢く飲食し、運動を強化することです。こうすることで病気になることが減り、身体が丈夫になります。
*健康な生活習慣は自ら求めないと得られません!
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