
今日は「立春」!二十四節気の第一の節気の幕があきました。昨日は冬の最終日で大晦日です。四季の一年の終わりの日に邪気を払い、福を招き入れて春の第一番の節気《立春》を迎えます。冬と春の節気を分ける日が、節分になります。
今日は天気予報が☃のマークがみられます。立春とはいえ、寒さは厳しいですね!
陰暦では此の立春に前後して新年がはじまります。中国の春節(新年)は太陰暦で、その年の二十四節気の「雨水」の前の朔日(新月)の日になるそうです。で今年は2月10日の新月の日が旧暦の元旦です。
冬の間は自然界には枯れた野が広がり、寒さの中、動物は息をひそめてエネルギーの消耗を極力抑えて過ごします。
冬の季節は一見すると死の世界が広がっているように見えます。春というのはその死んだような自然界から生命を生み出す蘇りの季節と捉えていました。
春は冬の間、エネルギーの放出を控えるために閉じていた扉を開ける季節です。冬の間に溜めていた毒素を外にだし、余分なエネルギーも放出します。また、初春、仲春、晩春と気温変化が激しいのでその気候に合わせた養生が必要になります。昔の本には春は早く起きてゆったりした服を着て、髪もほどき、ゆったりした気分で散歩をするようにと書かれています。春の五行は「木」です。この木は天にむかって枝を一杯に広げてのびのびとした様子を現しているといわれます。春の季節はこのようにのびのびとゆったりした気分で過ごすことが養生です。そうすれば春の臓「肝」にも負担をかけず、肝がゆったりしてれば相克関係の《脾胃》の機能も傷めません。
日本は中国の文化の影響を奈良時代から取り入れていました。二十四節気は太陽の動きに合わせて決められています。太陽が黄経315度のときに立春になり、春が始まります。前日の大晦日は節分になり、冬と春の節気を分ける日になり、特に冬(死の)の季節から春(生命が蘇る)の季節に移る節目を節分として一年の厄を払い、新しい始まりに福を呼び込みます。
また、春と言っても2月中はまだまだ気温は低く、気候の変化も激しい時期なので体調を崩しやすい頃です。春の養生はとても大事で春に養生ができれば一年健康でいられると言われるほどです。
中国の諺に「春天是“百草回芽、百病易発”」とあり、春の天気は百草芽を出すが、百病発症しやすいということです!
春の養生
一つは春の陽気の発生に順応し(初春は陽気が少なく晩春にむかって増していく)、陽気を守ることが大事です。まずは温補(温めて守ります)
二つ目は自然界の動きを五行に即して見ること。これは春が木の行に属していて五臓は肝になるということです。
五行も『黄帝内経』では天地人と分けて紹介されています。
木:天:春・風・東・地:草木・鶏・麦・青・酸・人:肝・胆・目・筋・爪・怒
春は肝の特徴を知り、養生することが大事です。木は枝を天に向かっていっぱいに広げ伸び伸びとした様子と書きましたが、正にこれが「肝」の養生です!
春はリラックスが大事です!が春は試験、卒業、進学、入社、移動などストレスがかかる季節です。それを理解して過ごすだけでもストレスをへらすことができます。
肝はストレスに弱い!!
肝は気を巡らすという大事な機能がありますが、ストレスが掛かると気の巡りが不調になります!
ゆったりとした気分で怒らないようにする。怒ると肝が傷つき、そのあとに憂鬱になります。喜ぶ気持ちを大切にすると調和が取れてのびのびとすることができます。
例えば有名な句に「梅一輪一輪ほどの暖かさ」とあります。(松尾芭蕉の弟子服部嵐雪の句)
寒さが厳しいけど梅の花が一輪咲いていることに春の兆しを感じるように、身の回りのちょっとした変化に気持ちを向けるとストレスも軽減されるように思います。
春の精神養生について情緒を抑えないようにし、楽観的で楽しく、活気があふれるようにすべきである。と書かれています。
感情を抑え込むとやる気を奪います。春の時期は相手に対しても怒ると相手のやる気を奪います(特にお子さんや生徒、部下などに怒るのは禁忌です!)心を喜ばせて穏やかな気持で接して決して相手の感情を抑制して踏みにじってはいけないとあります。頭ごなしに怒るなどはもっての外です!!
まず、精神の養生を!初春は枯れていた枝に小さな芽が現れる時期です。人も同じで冬に抑えていた肝気が芽生える時期です。この芽を潰したら芽は成長できなくなります。まだ、弱い柔らかい兆しの芽です。大事に育てて中春を迎える頃には少し育ってきます!そのためにも自身の精神をリラックスさせて好きな音楽やきれいな絵やもの、花を愛でることも大事です!と古典にも書かれています!
次に飲食の養生です。
春の養生でも書きましたが、一つ目の「春季の陽気発生」を考慮します。
春は巡りを活発にすることが大事です。巡りが良くなることで冬に溜め込んだ不要なものを外に出しやすくなります。
春のおすすめの食養生では五味は辛味のものでめぐらし、苦味のもので下におろします。性質は温性・平性の食材を中心にします。
陽気は暖かく、軽く上に昇り易い性質があります。春は肝気が活発で、肝の陽気が上に行きやすくなります。ストレスが多く、飲酒をよくする方は体内に熱がたまり、熱は上に昇りやすくなります。(肝気が上に昇るとカッカ、イライラし、その
後肝気が下がると落ち込みます)。このような方は春の五味の酸味は気を収斂し、抑える性質があるので昇りすぎる肝の気を抑えます。春の発散にはふさわしくありません。この時期は「辛味・甘味」のもので発散する食品を摂ります。また、辛味甘味で「辛甘化陽」という働きがあり、陽を生み出します。
五行の相生相克図を見ていただくとわかりますが、肝の相克(星型)の→は脾に向かっています。酸味のものを多くとって肝気が旺盛になると脾をいじめます。
そのため、春は酸味のものを食べることを忌しめています。
食べたい食材は
柔肝養肝(肝を養い、肝を固くしない。脂肪肝などにしない)と疏肝理気(気の巡りを順調にする)する生薬と食材を選びます。
肝の機能を高める:タラの芽、ふきのとう、もやし、豆苗、菜の花などの新芽の類
発散して陽の氣を巡らせる:ニラ、葱、らっきょう、よもぎ、三つ葉、春菊などの辛味のある食材と、柑橘類、ジャスミン茶などの香りの良い食材で気をめぐらします。
消化を助け、胃腸機能を高める甘味のもの:棗、ブリ、蓮の実、納豆などです。
これらのものを柔軟に組み合わせて調理しましょう。
2月中はまだ、気温も低いのでスープ、煮物、鍋など温かくして食べる料理がお勧めです。冬野菜は甘みが強く脾胃を養いますので+、発散の力がある玉ねぎ、長ネギ、生姜、辛子、少量の唐辛子など加え、さらに香りの野菜(せり、三つ葉、蕗のとうなど)をプラスします。タンパク質は魚介類が巡りを促します。肉類はなるべく脂肪を少なめにします。
まだ、寒さが続きますが陽気は、確実に増えて気温の変化も激しくなります。この時期は地中の中も動き出し、ウイルスや細菌の動きも活発になり、感染症も多くなります。また、花粉症も増えていきます。生命のあるものが冬の閉蔵の季節から少しずつ開放の準備を始めます。また五臓も腎から肝へと移り始めます。免疫力を高めて感染症を予防するには体内の潤いを増して粘膜を強化し、春の臓「肝」の養生を高めるものを積極的に取り入れます。この時期多く出回る柑橘類はVCが豊富でVA先駆体のカロテン類、βカロテン、βクリプトキサンチン、クエン酸など「肝」の気の巡りを促し、肝臓の機能を改善する栄養素を含みます。また、柑橘類のスジなどにはビタミンPと言われるヘスペリジンが豊富で、血流を促し、動脈硬化、心筋梗塞の予防に働くと言われています。本来は旬ではありませんでしたが、商業的に12.1月が旬になったイチゴも抗酸化のVCを多く含み、ペクチンなどの水溶性食物繊維が腸内環境を改善して免疫力を結果的に高めます。
春の養生のもう一つは体内時計の動きも影響を受けますので生活をなるべく規則正しくし、食養生と運動も取り入れて病気を予防し、健康を保ちます。
窓を開けて室内の空気を流通させ、新鮮な空気に保ちます。口と鼻の粘膜も健康を保ちます。
まだまだ寒さは続きますが、暖かくしてお過ごしください。
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